日本の棚田百選-中山千枚田-

writer:編集部(2020.11.27)3,973 views

nakayama senmaida

山から下りてくる風に稲が揺られてなびく風の道。 BGMは稲穂と葉の擦れる音や、鳥のさえずり、ここに来ると時を忘れてしまいそうになる。 昔から変わらない稲作風景が小豆島にあります。

「中山千枚田」はどこにあるの?

中山千枚田
小豆島町中山。
土庄港から島の内陸へ、肥土山経由で入った山間部。山肌一面に、日本の棚田百選「中山千枚田」が広がります。ここの稲は、湯船山(標高約400m)から絶えず湧き出る名水百選「湯船の湧水」で育ちます。大小さまざまな大きさや、地形に沿って曲がったりして田んぼのウェーブが段々と続いています。季節によってその風景は変わって行きます。 また、どこかペルーの世界遺産【マチュ・ピチュ】と思わす風景でもあります。ここで、お気付きでしょうか?
日本の「棚田百選」と「名水百選」と日本の〇〇百選が2つも出てきてます。 が、ここ中山地区には、もう1つ‼ 人の営みが育んだすこやかで美しい里として「にほんの里100選」にも選ばれています。

➀農林水産省選定日本の棚田百選「中山千枚田」
➁環境省選定日本名水百選「湯船の水」
➂林文化協会にほんの里100選「中山」

小豆島で3つではなく、中山地区だけで3つだなんで、本当にすごい! 途絶えさせてはいけない日本の風景です。

「中山千枚田」は、いつからあるの?

中山の虫送り
中山千枚田が今でも昔から変わらず保っていられるのは、湯船の湧水の存在があります。 南北朝時代に「迷路のまち」にも登場した武将 佐々木信胤が、水不足で悩まされ干ばつによる飢饉を、枯れることのないこの「湯舟の水」が救った霊水として、仏堂を建立し「湯舟の水」を奉り現世及び後世の冥福を祈ったと言われています。その「湯舟の水」を水源にした棚田は、江戸時代中期にかけて山を開墾し石を積み上げ水を引き入れ造られたそうです。
「湯舟の水」は一日約400トン湧出し、今でも田植え時期には上から順々に田園を潤していきます。

田植えが終わり梅雨明けが待ち遠しい頃の7月初旬。 田んぼのあぜ道を歩きながら子供たちの「とーもせ、ともせ(灯せ)」の声が響きます。火手(ほて)と呼ばれる松明を持ち、火を稲の方に向け稲につく虫を追い払い、また豊作を祈願する「虫送り」行事です。 10年程前は、お隣の土庄町肥土山地区のみがこの行事を行っていましたが、「八日目の蝉」で虫送りをしているシーンが撮影されて以降、中山地区でも復活しました。

「中山千枚田」の他に見どころは?

■国の重要有形民俗文化財指定「中山農村歌舞伎舞台」 茅葺き寄棟造りで造られた舞台は、春日神社の奉納芝居として300年もの間この中山地区の人々だけに受け継がれて来た民俗芸能です。回り舞台、花道、役者、義太夫、舞台方など全て地元の人達だけで、毎年10月上旬に上演されます。
見物席は、芝生の緩やかな斜面に「わりご弁当」を開き、熱のこもった芝居に声援やおひねりを投げたりしながら楽しみます。こちらも「八日目の蝉」で芝居風景を鑑賞しているシーンが撮影されました。
もう一つ、隣の土庄町肥土山地区にも同じく「肥土山農村歌舞伎舞台」があり、毎年5月3日に上演されます。

■小豆島殿川ダム上流域「ホタルの郷」
昔は普通に庭先に飛んで来ていた、蛍。今では探すのも一苦労。この「ホタルの郷」では、何十年もかけてゲンジボタル、ヒメボタルの幼虫の孵化や放流や蛍の住みやすい環境・整備などを行い、ようやく蛍の乱舞が見えるまでになりました。
香川県小豆郡小豆島町中山殿川流域
5月下旬~6月※中旬天候や気温により変動

スポット情報

スポット名中山千枚田
住所〒761-4155
香川県小豆郡小豆島町中山
電話--
営業時間--
休業日--
駐車場--
アクセス土庄港から車 で 約20分
備考

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